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2015年9月25日

バリアを示す地図づくりを

内容

「傾斜17°」。歩道の傾斜を読み上げる元気な声が響く。一見、プロの測量みたいだが、実は全員がボランティアなのです。「誰もが歩きやすいまちを作りたい」と、千代田区内のバリアフリーマップを作成する団体「リーブ・ウイズ・ドリーム」の活動風景です。

 「障がいのある友人たちが持つバリアフリー情報を、いろんな人と共有・発信したかった」。代表の金子さんは設立の理由を語っています。今年で設立6年目。バリアフリーマップは区内を10区画に分けて調査しています。トイレ、エレベーターなどの昇降設備、駐車場など、36のアイコンで表現された、見やすいデザインが特徴です。発行部数は2000部で、無くなり次第再調査をして再発行しています。区内の公共施設やホテル、観光案内所等で配布しています。

 8月9日、神田・秋葉原地区の再調査が行われました。参加者は29名で8つのグループ。調査には必ず車いすを用意して、実際に通っての意見を反映させています。記者も参加し、お茶の水や淡路町方面を調査しました。
 「実は直線の長い坂道が一番、車いすで移動するのが大変なんです」記者と同じグループで、リーダーを務めた車いす使用者の大野さんは、日常生活での苦労をそう話していました。損保会館からお茶の水駅へ続く道は、傾斜は5°ですが、長い坂道です。車いす利用者の大野さんは、「この道は通りませんね」と苦笑いしました。同じくボランティアで参加した川野辺さんは「まちを見る目が変わりますね」と感想を述べていました。
「来年は、外国の方向けに英語表記の地図も作成したい」金子さんは、そう夢を語っていました。
 今日参加した調査は既存のマップを再調査したもので、10月上旬に発行する予定です。

リーブ・ウィズ・ドリームHP http://chiyoda.clubneco.com/

(文:鈴木 康平/写真:青木 愛)

*ボランティア記者レポートは、ボランティアが活動の現場を取材し作成した記事です。メンバー随時募集中です。