自分のなかにサンタクロースを見つける
~ちよだ企業ボランティア連絡会 サンタクロース・ボランティア~
三菱東京UFJ銀行・西さん(48才男性)は、いつも仕事では部下に対して怖い上司なので、違う自分を見つけたいと思い最近ボランティアを始めました。仕事への影響としては、人に価値観を押し付けないように注意するようになったそうです。
大塚商会・白川さん(45才男性)も今年からボランティアをするようになったひとり。「自分が元気をもらえる」と、定期的に活動を続けています。今回は会社の掲示板で知って応募したそうです。
12月15日土曜日、ちよだ企業ボランティア連絡会が行う「サンタクロース・ボランティア」——筆者は麹町コースを担当する参加者9名に同行しました。中には昨年の3・11後に被災地へ2回行ったことがボランティアを始めたきっかけという人や、神戸出身で95年の阪神淡路大震災の時からボランティアを始めた人など、背景は人それぞれです。
ボランティアを受ける側も色々な事情があります。午前中に訪れた麹町保育園では、「楽しみサタデー」なる催し会のゲストとして登場。クリスマスソングを歌い、子どもたちに手作りのリースとクリスマスカード、お菓子をプレゼントしました。
午後はいきいきプラザ一番町へ移動。館内の特別養護老人ホームとデイサービスの2ヶ所で歌を歌い、紙芝居をして、プレゼントを手渡しました。紙芝居の演目は「うさぎとカメ」。知っているお話のほうが、高齢者が懐かしく楽しめるだろうと、参加者みんなで話しあって決めました。お年寄りたちは目を輝かせて話に聞き入り、配られたプレゼントを愛おしそうに見つめていました。一方のサンタたちも溢れんばかりの笑顔でした。
ボランティアがきちんと「善意」として機能するためには、受け入れ側のニーズに適合していることが重要なのは、東日本大震災を経験した我々ならリアルに実感できます。
今回の幹事会社である三井住友海上あいおい生命・林葉子さんは、相手先との細かい調整をボランティアセンターがやってくださるので、とても助かったと話しています。「本当はその部分が一番大切だと思うけれど、企業の担当者がひとりで全部抱え込むのは大変」なのだそうです。サンタクロースも役割を与えられて活きるということでしょうか。帰りの道中、すれ違う人たちにも笑顔で手を振るサンタの一団は、12月の冷たい雨空でも寒さを感じないようでした。
(ボランティア記者 壇 一秀)◆ちよだボランティアセンター情報マガジン「ボランティア」
Vol.339 2013年2月号(2013/1/25発行)より☆情報マガジンは区内の情報ステーションで入手できます。
☆当ホームページ上でも見る事ができます