はじめてのボランティア
だんだんと春の気配が感じられる気候になりました。
春は何か新しいことを始めるのに、とても良い季節ですね。
今日はボランティアセンター職員・野中の、「はじめてのおつかい」ならぬ、「はじめてのボランティア活動」の記憶について、書いてみようと思います。
あれは中学1年生の頃。
歌うことと踊ることが何より大好きだった私は、将来はミュージカル女優になって、ブロードウェイの舞台に立つ!と本気で夢見ていました。
人前で歌ったり、何かを表現することが大好きで(当時は!)、音楽と体育の成績だけは誰にも負けない女子でした。
そんなある日。
当時、地元の高齢者のためのデイサービス施設で働いていた母から、「利用者さんの前で歌を歌ってみない?」と誘われたのです。
歌手でもないし、ただの中学生が歌を歌っても、利用者さんは喜ばないのでは・・・とも思いましたが、「若い人が来るだけで喜んでくれると思うよ」との母の言葉に、それならやってみる!と挑戦することに。
何を歌ったのかは忘れてしまいましたが、高齢者の方も知っている曲をと思い、誰でも知っているような曲を2曲(確か童謡だったと思います)アカペラで歌わせていただきました。
普段味わうことのない、馴染みのない雰囲気に思いっきり緊張してしまい上手に歌えませんでしたが、利用者のみなさんからは拍手をいただき、「若い子が歌ってくれるなんて、嬉しい」「生きててよかったわよ」「また来てね」という言葉をかけてもらったのでした。
その後も季節ごとくらいに、何度か足を運び、歌を披露させてもらいました。通えば通うほど、利用者さん達に顔を覚えてもらい、喜ぶ笑顔を見ることができるととても嬉しい気持ちになったものでした。
当時は「ボランティア活動をしている」という意識は全くありませんでしたが、今考えると、それが私にとって、初めてのボランティア活動でした。
すごく大きなことは出来なくても、自分のしたことが少しでも誰かの喜びになるという経験は、ボランティアの醍醐味を味わうことができた貴重な経験だったなあと思います。
あれから何年もの時がながれ・・・
ミュージカル女優になるという壮大な夢は残念ながら叶いませんでしたが(笑)歌が好きという気持ちがボランティアにつながり、利用者の皆さんとの会話や、施設の職員の皆さんとの出会いなど、貴重な経験ができたことはとてもラッキーで、大げさかもしれませんが私の人生においても大きな経験でした。
図らずともそんな経験を得ることができる「ボランティア」ってすごいなあと、改めて思います。
新たな出会いと経験がもれなくついてくるボランティア。この春始めてみませんか?
ちよだボランティアセンターでは、みなさんとボランティア活動との出会いをお手伝いしています。
どうぞお気軽にお越しください。職員一同、お待ちしています!
(野中)