バリアフリーについて考える
渋谷のヒカリエで、11月18日(火)まで「超福祉展」というイベントが開催されています。
週末の休みを利用して、私も行ってみました。規模はそんなに大きくありませんでしたが、最先端の技術を駆使した福祉用具や、スタリッシュなデザインの車いすやセニアカーの展示がありました。義足の装着体験や車いす等の試乗もすることができます。
私も車いすバスケットなどで使用される車いすに試乗してきました。会場には車いすユーザーの方も多く来場されていましたが、会場はヒカリエの8階で来場するためにはエレベーターを使用しなくてはなりません。
最近公共施設やショッピングセンターでは、身体の不自由な方やベビーカーを利用している方を優先的にりようできるエレベーターの設置が目立ちます。例えば1階から10階まで行く際にエレベーターを利用した方が、便利なのはわかりますが、特に混雑が激しい週末で、障がい者がエレベーターを利用したいときに優先エレベーターにも人が殺到し乗ることができない。エレベーターが到着し、扉が開いたその先に車いす利用者がエレベーターに乗りたいと待っている姿を見ても、誰もエレベーターから降りずにそのまま行ってしまう。私の妻は車いす利用者ですが、昨日もそんな状況がしばらく続き、エレベータに乗るまでに15分くらいを要しました。さらに、地下鉄の改札口で、障がい者手帳を提示するために係員が対応できる通路を車いすで通ろうとしたところ、正面に車いすユーザーがいるのに改札の外へ出ようと駅の構内から次から次へと改札に押し寄せる人々。妻は「困った」という顔をして人の流れが途切れるのを待ち、駅の構内に入っていきました。
確かに公共交通機関や狭い場所での車いすは邪魔になるかもしれません。快く思わない人がいることもわかります。ですが、ちょっとエスカレータを使用すれば済むこと。一つ隣の改札通路を利用するだけで、10分も15分も待っている車いすの方は、2〜3分で移動することができると思います。
身体が不自由な人が専用で使えるエレベーターや改札を設けないといけないのでしょうか。
また、そうすることがバリアフリーと言えるのか。
設備だけ整えても、どんなに障がい者にとって便利な器具が作られても、世間が意識を変えないと変わらない問題だとつくづく感じます。
自宅から最寄りの駅まで妻を連れて行く際に、敢えてバスを使わず20分かかる距離を歩いています。バスに車いすのまま乗車することにより、停車時間が延びバスの車内も人がたくさんいれば邪魔になってしまう。人に嫌な顔をされるのではないかと、私も気にしてしまいます。福祉展を観に行ったのに、道中でいろいろ考えさせられることがあり、「バリアフリーって何だろう?」と改めて思う最近でした。
(小川)