大人はヒーローになれるか
ちよだボランティアセンターの小川です。
11月になりましたね。
朝晩の寒暖差がかなり出てきました。
皆さま、体調を崩さぬようどうぞご自愛ください。私はしばしば道を尋ねられることがあります。多い時は1週間に4人の方に道を尋ねられたことがありました。千代田区内や地元はもちろん、旅行先とかでも道を尋ねられることがあります。「話しかけやすい雰囲気」でも醸し出しているのでしょうか。なぜ、たくさん通行人がいる中で、私なのか、いつも疑問に感じています。
先日のこと、地元で私の知らない方に道端で話しかけられた2つのことを綴りたいと思います。
2つとも相手は小学生の女の子だったのですが、一人は女の子も知らない家屋の軒先で、ツバメの雛が巣から落ちたのか、飛べずにいる姿を見て、「何とか助けてあげたい」と思ったのでしょう。近所には野良猫がたくさんいて、このままでは雛が猫に襲われてしまう。ですが、知らないお宅で、勝手に入っていいものか迷っていたようです。
たまたま近くを通りかかった大人(私)に話しかけるのは、それなりに勇気が必要だったかと思います。「すみません。つばめを助けてください!」
必死な顔でお願いする女の子を見て、「じゃあ、おじさんと一緒にこのおうちの人に入っていいかどうか聞いてみようか?」と答え、女の子と一緒にツバメの雛がいるお宅のインターフォンを押しました。
一生懸命事情を説明する女の子。説明をしている間に飛び立っていきました。もう一人は、息子を保育園に送りに行く途中、正面から「すいませーん!」と呼ぶ知らない女の子がいまして、私を呼んでいると思わなかったのですが、「おじさんのこと呼んだ?」と尋ねると「うん、〇〇ちゃん知りませんか?」とこれも全く知らない女の子の行方を尋ねられました。もちろんその子のことも知らないので、「ごめんね、おじさんわからないんだ」と答え、その場を去りました。
昨今、「知らない人に声をかけるのはやめなさい」とお子さんに伝えている親御さんが多いと思います。私も自分の息子が言っていることがわかる年齢になるくらいには、同じようなことを伝えると思います。
「助けてほしい」と自ら声を勇気を持って知らない大人に声を掛けてきた女の子たちを褒めてあげたいと思いました。幼児や児童が行方不明になったという報道を聞くたびに、子どもたちが「助けて」と言いづらい世の中にしたのは、我々大人の責任かなと思います。
子どもにとって、大人が助けてくれるスーパーマンになるか、怖い存在になるか。
子どもは親の背中を見て育つと言いますが、良い大人の見本でありたいと思いました。