「ちよだのかがやきボランティア」インタビュー+α★平松 喜久子さん
ちよだのまちでキラキラ輝いているボランティアを紹介する「ちよだのかがやきボランティア」。
今回は、障がい者施設でのマッサージ活動を行っている平松さんにお話を伺いました。(ち)<縁がまわりにまわって”ちよボラ”へ>
18歳のころから目が見えなくなっていき、30歳の時に全盲となりました。これまではマッサージの資格を活かして大きなスポーツ大会などでボランティアをしていましたが、コロナ禍で活動がほとんど無くなってしまいました。
そんな時、ちよだボランティアセンターから「小学生に向けた福祉出張講座を行うため、盲導犬ユーザーを紹介してほしい」という依頼が区内外にある何件かの障がい者関連施設(団体)同士で伝わっていき、私に白羽の矢が立ったようです。私は千葉県市川市に住んでおり、千代田区なら電車一本で行けて移動の心配も少ないので、”ぜひ”と思って引き受けました。
その後、「区立障害者福祉センター えみふる」でマッサージのボランティアを探しているというお話を聞き、そこでハンドマッサージを行う事となりました。
<ボランティアを始めて6か月。楽しくてたまらない!>
2022年の5月から活動を始めて、現在は月1回「えみふる」の利用者さんに対してマッサージをしています。利用者さんから「すっきりした」との声も聞こえ、好評のようでとても嬉しいです。
また、何回か施術していくうちに、ご自身のこれまでの人生を良かった事から辛かったことまでポツリポツリとお話いただいた方が印象的でした。毎日のようにお会いするわけではないので、しがらみがないのが逆に良いのかも知れません。毎回同じことを話される方、Youtubeで「歌ってみた」動画をアップした話をされる方など、色んなお話を聞くのがとても楽しいです。マッサージをするときに出るオキシトシンという幸せホルモンは施術側にも出るそうで、私も心地よい気分で活動をしています。
<ハイジは「女子中学生」!?>
パートナーの「ハイジ」とは2年前に出会いました。
これまでは自宅から職場までずっと点字ブロックが続いており白杖だけで移動できていたのですが、今の住まいの周辺では点字ブロックが整備されておらず徒歩5分の道でも大変な思いをしていたので、初めて盲導犬を迎えることになりました。訓練士さんから「女子中学生みたいな性格ですよ」言われましたが、しつけのために叱るとすぐに落ち込む、雨の日は頑として動かない、などとても甘ったれ(笑)な仔です。すでに盲導犬と一緒に暮らしている方が「信頼関係を築くには1年かかるよ」と話していましたが、最近ようやくハイジと信頼関係ができたようです。オンオフがはっきりしていて、家ではペットのように過ごしています。ちなみに、夫とハイジはとても仲の良い友人のような関係なのに、私の指示しか聞きません。だれが主人かはっきり分っているようですね。
盲導犬はユーザーがしつけをしたり、道を覚えさせたりします。犬は指示に従って歩くだけです。犬は点字ブロックを使わないし、交差点では左側に寄ろうとするので最初は混乱しました。ちなみに、最近では盲導犬の存在が浸透してきたので、道すがら急に撫でてくる人はほとんどいなくなりました。ただし、レストランなどの予約の際、盲導犬だと申し出ても断れることがまだまだあります。また、歩きスマホも犬はよけられるのですが、こちらはとっさに動けないので怖いです。
<今後への思いは>
コロナ禍が落ち着いたら、ハイジと一緒に旅行に行ってみたいです。特に湯布院や四万温泉に興味があります。他には楽器の演奏をしてみたいですね。オカリナを吹けるので、今度は篠笛を吹いてみたいです。※こちらは、『ちよだボランティアセンター情報誌12月25日号』に掲載されたインタビューの完全版です。